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グローバ

Growba

施工管理アプリ「クラフタ」

建設業界向けの無料施工管理アプリ「クラフタ」と人材紹介サービス「建設キャリア」を運営する。クラフタは2020年12月提供開始、2021年4月時点で250社導入。案件ごとに関係者を招待し、LINEに近いUIのチャットや写真自動格納により、現場監督と職人間の情報共有を一元化。住所・図面・工程表の個別送付の手間を省き、中小工務店や中堅建設会社の現場管理効率化を支援する。アプリ内の建設業向け工具・資材広告で無料提供を実現。建設キャリアは2022年8月立ち上げた成功報酬型の人材紹介事業。過去3年で売上15倍、2期連続黒字を実現(2023年5月時点)。

代表者・創業者小河泰史

アクセンチュア、リクルートを経て2014年に株式会社グローバを設立し、 リフォーム会社マッチングサイト「リフォームガイド」を立ち上げた。代表取締役。

法人名
株式会社グローバ
調達シリーズ(推定)
プレシリーズA
総調達額(公表累計)
2.2億円
株主
Chugin Capital PartnerCrest Skill PartnersDIMENSIONNCB CapitalSMBC Venture Capital 他2社
設立
2014年
所在地
東京都渋谷区渋谷2丁目14-4渋谷mImビル4F
公式サイト

資金調達

公表累計 2.2億円

企業公表の累計調達額。以下は個別に公表されたラウンドのみで、合計は公表累計と一致しない場合があります

プレシリーズA2023-05
2.2億円

投資家: Chugin Capital PartnerCrest Skill PartnersDIMENSIONNCB CapitalSMBC Venture Capital

ニュース(3)

競合分析

競合スコアリングマップ

05101512345設立からの経過年(年)競合スコア(5段階)基準=グローバ(各社はこの企業への近さで採点)
グローバ(基準)
対象企業(基準)バブル面積=総調達額破線=調達額非公開(最小サイズ)

競合スコアリング詳細

ダンドリワーク
直接代替性スコアいまの競合(短期1〜3年)
5/5
  • 顧客ペルソナの一致5/5
    根拠

    「導入社数100,000社」で地方~中堅の工務店・リフォーム会社が母集団(dandori-work.com)。グローバの中小工務店経営層と一致。

  • ユーザーペルソナの一致5/5
    根拠

    「現場で撮影した写真もその場でアップロードでき、関係者とリアルタイムで共有」=現場監督・職人が日常ユーザー(ASPIC)。

  • 課題の一致5/5
    根拠

    「現場の図面や写真、工程などの情報を一元で管理」(NIKKEI COMPASS)=クラフタが掲げる情報発信作業削減と同一ジョブ。

  • 提供価値の一致4/5
    根拠

    情報一元化という価値は同方向だが、初期20万円+月額15,000円〜(RISE JMS)と有料であり、無料クラフタと価格モデルが異なる。

同じ工務店の同じ現場管理ジョブに正面から取り組む最有力の直接競合。価格モデルは異なるが機能・顧客・課題が高度に重なる。

将来衝突可能性スコア将来の競合候補(中長期3〜10年)
4/5
  • GTM戦略の一致4/5
    根拠

    「IT導入補助金2025のIT導入支援事業者に採択」(initial.inc 2025/4/7)、展示会・口コミ中心。グローバも業界媒体露出・口コミ獲得で方向が近い。

  • 将来目指すものの一致未評価
    不足している情報

    ダンドリワークの公式ビジョンがWeb検索で確認できず。原価管理・金融連携への拡張は推測にとどまり、一次情報で突合不可。

  • 市場重複4/5
    根拠

    両者とも「施工管理アプリ」で同一の中小工務店が選定時に比較する同種プロダクト。同じ現場DX予算・同種案件を奪い合う(ダンドリ初期20万〜月額、クラフタ無料で同一顧客層に提案)。

3~10年で市場シェア拡大競争に入り、現状の「クラフタ非公開導入数」が相対力関係を決定。今後の成長公開が衝突の早さを左右。

アルダグラム(KANNA)
直接代替性スコアいまの競合(短期1〜3年)
5/5
  • 顧客ペルソナの一致4/5
    根拠

    「建設業の割合は約8割、内装工事が最多」(リフォーム産業新聞)。中小〜中堅中心でグローバと重なるが、非デスクワーク業全般へ拡張している分やや広い。

  • ユーザーペルソナの一致5/5
    根拠

    「ITに詳しくない職人でも簡単に使える操作性」(リフォーム産業新聞)=現場職人がユーザー、クラフタと同一。

  • 課題の一致5/5
    根拠

    「写真や図面をクラウド上で管理する機能やチャット機能」で現場情報の一元化・共有(digi-mado.jp)=同一ジョブ。

  • 提供価値の一致5/5
    根拠

    「1GB以内であれば基本機能が無料」「協力会社のID数は無制限・無料」(Sekonavi/digi-mado.jp)=無料起点で導入障壁を下げる点がクラフタの無料モデルに最も近い。

無料起点・職人向けUX・情報一元化の3点でクラフタと最も酷似。同一顧客層を直接奪い合う。

将来衝突可能性スコア将来の競合候補(中長期3〜10年)
4/5
  • GTM戦略の一致4/5
    根拠

    業界紙掲載・App Store高評価・展示会参加(「建設DXアワード2025受賞」initial.inc 2026/1/29)による認知獲得=グローバと同型の獲得チャネル。

  • 将来目指すものの一致2/5
    根拠

    KANNAは「ノンデスクワーク業界全般」「100カ国展開・多言語対応」(lp.kanna4u.com)とグローバル横展開志向。グローバの「中小建設企業支援・IPO」(Wantedly)とは方向が異なる。

  • 市場重複4/5
    根拠

    無料起点の施工管理アプリで同一の中小工務店を奪い合う。導入社数70,000社(speakerdeck)と同一調達枠での比較検討が現実に発生。

3年以内に衝突の勢いが高まる。KANNAはグローバル展開志向であり、日本市場の中小工務店層を制覇すれば次段階へ移行する可能性。グローバはこの衝突期間に実装率(NRR)での差別化がないと吸収される。

アンドパッド
直接代替性スコアいまの競合(短期1〜3年)
4/5
  • 顧客ペルソナの一致4/5
    根拠

    「156,000社超に導入、シェアNo.1」で大成建設・三菱地所ホーム等の大手〜中堅が中核(andpad.co.jp)。工務店も含むが重心はグローバより上位層。

  • ユーザーペルソナの一致5/5
    根拠

    「スマートフォンアプリを中心に利用されている施工管理アプリ」で現場監督・職人が利用(andpad.co.jp)。

  • 課題の一致5/5
    根拠

    「写真撮影、クラウド資料管理、工程表、チャット機能などANDPAD1つで多くを解決」(andpad.jp)=情報一元化ジョブが一致。

  • 提供価値の一致3/5
    根拠

    一元化価値は同方向だが料金は「要問い合わせ」=高機能・伴走サポート型で大手向け。無料軽量アプリのクラフタとは価値提供の重心が異なる。

強力な直接競合だが、顧客の重心(大手〜中堅)と提供体制(高機能・有料・サポート伴走型)がクラフタ(無料・軽量)と部分的にズレる。

将来衝突可能性スコア将来の競合候補(中長期3〜10年)
3/5
  • GTM戦略の一致3/5
    根拠

    直販+カスタマーサクセス伴走+「ANDPADアプリマーケット」エコシステム(prtimes/andpad.jp)。グローバの無料・PLG的獲得とは重心が異なる。

  • 将来目指すものの一致3/5
    根拠

    「建設業界の経営・資金流動を含むエコシステムプラットフォーム」志向(andpad.jp)。グローバの「アプリ×人材の複合プラットフォーム・IPO」(Wantedly)と部分的に方向一致。

  • 市場重複3/5
    根拠

    施工管理予算では重なるが、アンドパッドの重心は大手〜中堅ゼネコン。中小工務店層での同一案件奪い合いは限定的(大手ERP的ポジションで棲み分けが生じる)。

中堅企業が成長過程で大手ゼネコンサプライチェーンに組み込まれる際、アンドパッドへの乗り換えリスクあり。ただし3〜10年の衝突期間に大きな市場シフトは予想しにくい。

助太刀
直接代替性スコアいまの競合(短期1〜3年)
3/5
  • 顧客ペルソナの一致3/5
    根拠

    「発注側の工事会社(中堅・小規模建設業者)」が顧客(助太刀採用ページ)。グローバの建設キャリアの採用顧客と重なるが、クラフタ主軸(現場管理)とは別。

  • ユーザーペルソナの一致3/5
    根拠

    「82職種の個人職人・小規模工務店」がユーザー(助太刀)。建設キャリアの求職者職人とは一致するが、クラフタの現場ユーザーとは用途が異なる。

  • 課題の一致3/5
    根拠

    「仕事はあるが人手不足で受注できない」=職人採用・確保ジョブ(FastGrow)。グローバの課題3位(建設キャリア)と一致するが、施工管理の課題1・2位とは非一致。

  • 提供価値の一致3/5
    根拠

    建設特化のマッチングという価値は建設キャリアと重なるが、施工管理アプリ(クラフタ)とは代替関係にない。

クラフタとは直接競合しないが、グローバの副次事業「建設キャリア」(人材紹介)とは同一ジョブ。現状は事業領域がずれる将来衝突候補。

将来衝突可能性スコア将来の競合候補(中長期3〜10年)
4/5
  • GTM戦略の一致3/5
    根拠

    「複数の信用金庫と業務提携」(STARTUP DB 2024/10〜)で地域建設事業者へアクセス、採用サービス「助太刀社員」展開。グローバの建設キャリアも建設特化人材紹介で方向が近い。

  • 将来目指すものの一致4/5
    根拠

    助太刀「建設業界のプラットフォーマー、これ一つあれば現場の仕事は全てOK」(2019年創業者インタビュー)。グローバも「アプリ×人材」複合価値を志向し、統合プラットフォーム志向が一致。

  • 市場重複4/5
    根拠

    建設特化人材サービス(助太刀社員 vs 建設キャリア)で同一の採用予算を奪い合う。建設業向け人材サービス市場6,200億円(矢野経済研究所)で同種提案が競合。

3〜10年で建設業「人材×施工管理」複合プラットフォーム競争に移行。助太刀は現在「人材」領域で先行しており、グローバが「アプリ+人材」統合で後発追撃する構図。衝突の時期・勢いは人材事業の成長次第。

各軸は5段階。「未評価」は情報不足で判定していないことを示し、低評価(1点)とは異なる。

競合・関連企業

レポート(VC評価・競合分析)

生成: 2026-08-05 / 工程別
C投資妙味

建設業向け無料施工管理アプリ「クラフタ」と人材紹介「建設キャリア」を運営。完全無料×LINE的UXが強みも、KANNAら競合の進攻とマネタイズ不透明性でリスク調整後の投資判定は保留~慎重。

設立年

2014年

累計調達額(公表ラウンド合計)

2.2億円

累計調達額

2.2億円

クラフタ導入社数

250社(2021年4月時点)

App Store評価

☆4.3(2026年3月時点)

売上成長(過去3年)

15倍(2023年5月時点)

グローバ スタートアップ評価・分析レポート

エグゼクティブサマリー

グローバは、建設業界向けの無料施工管理アプリ「クラフタ」と建設特化人材紹介サービス「建設キャリア」を運営するConTechスタートアップ。2023年5月にプレシリーズAで2.2億円を調達し、IPO目指しを掲げている。強みは「完全無料×LINE的UX」による導入障壁の低さと現場定着性にあるが、既導入数の非公開化と競合(特にアルダグラムKANNA)の進攻により相対的な競争力の可視化が必須。マネタイズモデル(広告+関連サービス)の確実性が不透明であり、初期段階の赤字リスクと長期的なキャッシュフロー継続性の両面で経営課題。人材紹介事業の進捗も未公表で、複合プラットフォーム戦略の成熟度は評価困難。


1. 企業概要

基本情報

項目内容
企業名株式会社グローバ
本社所在地東京都渋谷区渋谷2-14-4 渋谷mImビル4F
設立年月2014年9月(別記載では2014年10月1日)
代表取締役小河泰史
資本金23,000,000円(出典:公式サイト)
従業員数20名(2023年6月時点、出典:Speaker Deck)/10人(時点不明、出典:PitchBook)※矛盾あり

経歴・背景

代表の小河泰史は、上智大学理工学部出身、アクセンチュア(コンサルティング)→リクルート(営業)→慶應大学MBA取得を経て創業(出典:キャリアバイト)。リクルート時代に「中小企業にも良い会社がたくさんあることを実感」し、「建設業界を支える小さな工務店のような中小企業を支援したい」というビジョンで創業(出典:Wantedly、2023年5月)。

事業概要

  • 施工管理アプリ「クラフタ」:建設現場での案件情報・写真・チャットの一元管理。完全無料。2021年4月時点で250社導入(出典:リフォームオンライン、2021年5月)。
  • 人材紹介「建設キャリア」:2022年8月立上げの建設業特化人材紹介サービス。成功報酬型モデル(出典:Wantedly)。

2. 事業モデル

クラフタ(Crafta)- 施工管理アプリ

プロダクト概要

LINE的なUXの施工管理支援アプリ。案件に関わる関係者(営業・現場監督・職人)を招待し、チャット・写真自動格納・案件情報管理を一箇所で実行。ユーザーが「住所・写真・図面・工程表を一回一回送る」作業を削減し、現場情報の一元化・再利用を実現(出典:グローバ採用ピッチ資料、リフォームオンライン、strate.biz)。

主要機能

  1. トーク機能(LINE的メッセージング)
  2. 写真の自動格納・クラウド管理
  3. 案件情報管理(図面・工程表等の一元保管)

マネタイズ構造

  • ユーザー直接課金:基本無料。有料版の有無・料金・継続率は非公開(未評価)。
  • 広告収益:クラフタ内で建設業向けの工具・資材広告掲載(出典:strate.biz)。
  • 関連サービス:グローバが運営する「建材マッチングサービス」への導線。グローバは建材メーカー・販売者から手数料を取得(出典:strate.biz)。

市場での位置づけ

  • App Store評価:☆4.3(2026年3月時点、出典:gemba-tech.jp)
  • 業界認識:「使いやすさ」「口コミ」「はじめやすさ」でNo.1(出典:SheepDog)
  • 導入実績:2021年4月時点250社。2023年6月以降の更新なし(未評価)。

顧客ペルソナ

中小~中堅建設会社・工務店の経営層・営業責任者。特に年間売上5億~100億円層と地方・中小工務店で人手不足が深刻な企業。ITリテラシーは低~中。

ユーザーペルソナ

実際の利用者は以下の2層:

  1. 現場監督(20~40代):進捗管理・職人指示・日報作成。LINE等メッセージアプリ利用経験あり。
  2. 職人(30~60代):スマートフォン・タブレット経由での情報受取・進捗報告。ITに不慣れなため、「LINE的」なUXが習得の鍵。

解決する課題(優先順位順)

  1. 複数現場の管理負荷削減:限られた人員での複数現場同時管理。「営業・現場監督が職人に住所・写真・図面・工程表を一回一回送る」作業の削減。人手不足率68%の建設業では、1人当たり管理可能案件数の増加が直接利益率に寄与。
  2. 現場情報の一元化・検索・再利用:メール・LINE分散による情報検索の時間浪費。案件ごと・施工段階ごとに異なる職人が関わるため、データ統一による品質管理・引き継ぎの属人化解消。
  3. 職人採用・確保の困難さ(副次):建設キャリアが対応。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は6.82倍(推測、統計系出典不明)と逼迫。

建設キャリア - 人材紹介サービス

サービス概要

建設業特化の人材紹介プラットフォーム。求職者(職人・施工管理技術者)と採用企業(工務店・施工会社)をマッチング。2022年8月立上げ(出典:Wantedly)。

マネタイズ構造

  • 成功報酬型:採用企業が職人を採用した時点で、グローバが年収の一定割合を取得。業界標準は20~30%(推測、業界慣行)。
  • 継続性:前払いがないため、初期段階での赤字リスクが高い。また、採用企業のキャッシュフロー(人件費支払いタイミング)に依存する。

市場規模

建設業界向け人材サービス市場は2024年度で前年比6.9%増の6,200億円(出典:矢野経済研究所)。このうち人材紹介部門は市場の一部で、数百億円規模と推定(推測)。

成長段階

立上げから約4年経過(2026年8月時点)。紹介実績・登録求職者数・継続率等が一切公表されていない(未評価)。

収益構造(統合)

セグメント売上源継続性課題
クラフタ(アプリ)広告+マッチング手数料低~中マネタイズ手段が不透明。ユーザー数増加が広告単価下落につながる典型的なモデル
クラフタ(有料版)月額課金有無・料金・継続率が非公開。スケール可能性が評価困難
建設キャリア成功報酬(年収20~30%)初期段階の赤字リスク。営業人員増加に伴う固定費上昇リスク

GTM(Go-to-Market)戦略

確認できた事実

  1. 初期段階(2021~2023年前半)

    • 業界媒体(リフォームオンライン等)への露出、App Storeでの有機ダウンロード、口コミによる獲得。
    • 2024年4月の働き方改革関連法施行を背景とした「業務時間短縮DX予算」の拡大が追い風(出典:MM総研、2025年12月調査)。
  2. 資金調達を経た拡大期(2023年5月以降)

    • 2023年5月のプレシリーズA(2.2億円)により営業・マーケティング体制の強化が推進されたと推定(具体的な営業手法の公表なし)。
    • 展示会・直販によるゼネコン・中堅建設会社への営業が推進されたと推定(推測、出典なし)。
  3. プロダクト主導成長(PLG)の要素

    • App Store評価(☆4.3)と「使いやすさ・口コミ・はじめやすさNo.1」(SheepDog)により、既導入企業からの紹介・口コミが主要な獲得チャネルと推測。

推測される課題

  • 2023年5月以降の導入企業数が非公表。成長率が不透明であり、競合(ダンドリワーク80,000社、エニワン3,400社)との相対差が拡大しているか否か判定不可(未評価)。

将来目指すもの

「今後も市場獲得シェアを伸ばし、数年後にIPOを目指す」(出典:Wantedly、2023年5月)。具体的なIPO時期は明記されていない(未評価)。ビジョンは「中小建設企業の支援」。


3. 資金調達・財務

調達履歴

ラウンド金額実施日投資家調達後評価額
プレシリーズA2.2億円2023年5月30日Chugin Capital Partner、Crest Skill Partners、DIMENSION、NCB Capital、SMBC Venture Capital等815百万円(推測)

累計調達額:2.2億円(2023年5月30日時点)。その後の追加ラウンドは確認できず。

財務指標(公表分)

指標出典・時点
売上成長過去3年で15倍Wantedly、2023年5月
利益2期連続黒字達成Wantedly、2023年5月
経営数値(2024年以降)不明非上場のため未公開

4. 競合評価

購買決定要因(KDF)と選定理由

顧客(工務店経営層)・ユーザー(現場監督・職人)が施工管理アプリを選定する際に重視する3つの軸:

KDF定義選定理由
①初期費用の低さ導入に必要な初期費用・月額課金の低さITリテラシー低~中の中小経営層は、「まず試せる/稟議が通る」無料・低コストを第一関門としている
②LINE的操作性現場監督・職人が習得・継続利用できるUX決裁者が契約しても、実ユーザーが定着しなければ解約に至る。ITに不慣れな高齢職人でも「LINE並み」に扱える操作性が継続の鍵
③情報一元化と検索性案件情報・写真・チャットが一箇所に集約でき、後から検索・再利用できるか複数現場を限られた人員で回すため、情報が散在していては生産性が上がらない。データ化・検索可能化が業務効率に直結

競合企業の直接代替性スコア(短期1~3年)

ダンドリワーク

評価軸スコア確信度根拠
顧客ペルソナの一致5導入100,000社超で地方~中堅工務店・リフォーム会社が母集団。グローバの中小工務店層と一致(dandori-work.com)
ユーザーペルソナの一致5「現場で撮影した写真をその場でアップロード、関係者とリアルタイム共有」=現場監督・職人が日常ユーザー(ASPIC)
課題の一致5「図面・写真・工程を一元管理」=クラフタが解決する現場情報発信作業削減ジョブと同一(NIKKEI COMPASS)
提供価値の一致4情報一元化という価値は同方向だが、初期20万円+月額15,000円~(RISE JMS)と有料。クラフタ無料との価格モデル差別化あり
直接代替性スコア5同じ工務店の同じ現場管理ジョブに正面から取り組む最有力の直接競合

KDF別評価

  • KDF①(初期費用):ダンドリ2点(有料)vs クラフタ5点(無料)→ クラフタ優位
  • KDF②(操作性):ダンドリ4点 vs クラフタ5点(LINE的) → クラフタ微有利
  • KDF③(一元管理):ダンドリ5点(10万社実績) vs クラフタ3点(導入数不明・実装率未検証) → ダンドリ優位

アルダグラム(KANNA)

評価軸スコア確信度根拠
顧客ペルソナの一致4「建設業の割合は約8割、内装工事が最多」(リフォーム産業新聞)。中小~中堅中心でグローバと重なるが、非デスクワーク業全般へも拡張
ユーザーペルソナの一致5「ITに詳しくない職人でも簡単に使える操作性」(リフォーム産業新聞) = 現場職人がユーザー、クラフタと同一
課題の一致5「写真・図面をクラウド管理、チャット機能で現場情報一元化」(digi-mado.jp)= 同一ジョブ
提供価値の一致5「1GB以内は基本機能無料、協力会社ID無制限・無料」(Sekonavi/digi-mado.jp)= 無料起点でクラフタと最も酷似
直接代替性スコア5無料起点・職人向けUX・情報一元化の3点すべてでクラフタと最も酷似。同一顧客層を正面から奪い合う

KDF別評価

  • KDF①(初期費用):KANNA5点(無料)vs クラフタ5点(無料)→ 同等
  • KDF②(操作性):KANNA4点 vs クラフタ5点(LINE的) → クラフタ微有利
  • KDF③(一元管理):KANNA5点(7万社、App4.3) vs クラフタ3点(導入数・継続率不明) → KANNA優位

警戒度:最高。無料モデル・顧客層・課題が完全に重複し、かつ資本力(27.6億円累計調達)・拡大速度でグローバを上回る。差別化余地が最も小さい。

アンドパッド

評価軸スコア確信度根拠
顧客ペルソナの一致4「156,000社超に導入、シェアNo.1」で大成建設・三菱地所ホーム等が中核(andpad.co.jp)。工務店も含むが重心はグローバより上位層
ユーザーペルソナの一致5「スマートフォンアプリを中心に施工管理」で現場監督・職人が利用(andpad.co.jp)
課題の一致5「写真撮影・クラウド資料管理・工程表・チャット機能をANDPAD1つで解決」= 情報一元化ジョブ一致(andpad.jp)
提供価値の一致3一元化価値は同方向だが、料金は「要問合せ」= 高機能・伴走サポート型で大手向け。クラフタの無料・軽量路線と価値提供の重心が異なる
直接代替性スコア4強力な直接競合だが、顧客の重心(大手~中堅)と提供体制(高機能・有料・サポート伴走型)がクラフタ(無料・軽量)と部分的にズレ

KDF別評価

  • KDF①(初期費用):アンドパッド2点(高機能・有料) vs クラフタ5点(無料)→ クラフタ優位
  • KDF②(操作性):アンドパッド4点(伴走サポート型で習得が支援される) vs クラフタ5点(LINE的自習型) → クラフタ自習型の自由度が優位
  • KDF③(一元管理):アンドパッド5点(26.5万社、老舗) vs クラフタ3点(導入数・継続率不明) → アンドパッド優位

警戒度:中。顧客重心の違い(中小 vs 大手〜中堅)により、同一市場での直接衝突は現状限定的。ただしシェアNo.1という競争力は最大級。

助太刀

評価軸スコア確信度根拠
顧客ペルソナの一致(施工管理領域)1-助太刀は施工管理アプリではなく、人材マッチングプラットフォーム(建設スタートアップDB)
顧客ペルソナの一致(人材紹介領域)4グローバの「建設キャリア」(人材紹介)と同じ採用企業が顧客。建設特化人材サービスの競合関係
代替性スコア(施工管理・クラフタ観点)1-施工管理領域では代替関係なし
競争関係スコア(人材紹介・建設キャリア観点)4建設特化人材マッチング市場で将来衝突。助太刀は23万事業者登録・累計調達48.8億円で資本力で優位

評価:クラフタ(施工管理アプリ)とは棲み分けるが、グローバの副次事業「建設キャリア」とは同一ジョブ。中期的な警戒が必要。

LINE+紙・FAX・Excelによる現状運用(非スタートアップ・代替モデル)

評価軸スコア確信度根拠
顧客が現状利用中か5小河社長「LINEに来たデータをパソコンに転送して整理する人も多い」(strate.biz)= 同一顧客が現状LINE運用中
課題の部分的解決4写真・指示共有は満たすが、案件横断の一元管理・検索は不可。生産性向上には不十分だが「今の運用で困っていない」慣性が強い
代替性スコア5「専用アプリを入れず今のやり方を続ける」ことが最大の代替。乗り換え動機を作るのが最大の壁

KDF別評価

  • KDF①(初期費用):LINE5点(既利用・無料) vs クラフタ5点(無料)→ 同等
  • KDF②(操作性):LINE5点(全員が習熟済み) vs クラフタ5点(LINE的) → LINE慣性が強い
  • KDF③(一元管理):LINE1点(分散・検索困難) vs クラフタ5点 → クラフタ優位だが切替障壁が極めて高い

警戒度:最高(ただし企業競合ではなく慣性競合)。「相手が意思を持つ競合ではない」ため、営業・プロダクト側の乗り換え動機設計が最難関。これを打破できなければ、いかに「無料・使いやすい」でも市場浸透は限定的。


将来衝突可能性スコア(中長期3~10年)

ダンドリワーク

評価軸スコア確信度根拠
GTM戦略の一致4「IT導入補助金2025に採択」、展示会・口コミ中心(initial.inc 2025/4/7)。グローバも同様に業界露出・口コミ獲得で方向が近い
将来目指すものの一致未評価-ダンドリの公開ビジョンが確認できず(一次検索で判定不可)
市場重複4両者とも「施工管理アプリ」で同一の中小工務店が選定時に比較。同じ現場DX予算を奪い合う
将来衝突可能性43~10年で市場シェア拡大競争に入り、現状の「クラフタ非公開導入数」が相対力関係を決定。今後の成長公開が衝突の早さを左右

アルダグラム(KANNA)

評価軸スコア確信度根拠
GTM戦略の一致4業界紙掲載・App Store高評価・展示会参加(「建設DXアワード2025受賞」initial.inc 2026/1/29)。グローバと同型の獲得チャネル
将来目指すもの2KANNA「ノンデスクワーク業全般への展開、100カ国・多言語対応」(lp.kanna4u.com)。グローバの「中小建設企業支援・IPO」(Wantedly)とは方向が異なる
市場重複4無料起点施工管理アプリで同一の中小工務店を奪い合う。導入70,000社(speakerdeck)との同一調達枠での比較検討が現実に進行中
将来衝突可能性43年以内に衝突の勢いが高まる。KANNAはグローバルへの展開志向であり、日本市場で中小工務店層を完全に制覇すれば次段階へ移行する可能性。グローバはこの衝突期間に実装率(NRR)での差別化がないと吸収される

アンドパッド

評価軸スコア確信度根拠
GTM戦略の一致3直販+カスタマーサクセス伴走+「ANDPADアプリマーケット」エコシステム(prtimes/andpad.jp)。グローバのPLG的獲得とは重心が異なる
将来目指すもの3「建設業経営・資金流動を含むエコシステムプラットフォーム」(andpad.jp)。グローバの「アプリ×人材複合プラットフォーム・IPO」(Wantedly)と方向が部分的に一致
市場重複3施工管理予算では重なるが、アンドパッド重心は大手~中堅ゼネコン。中小工務店層での同一案件奪い合いは限定的(棲み分けが生じる可能性)
将来衝突可能性3中堅企業が成長過程で大手ゼネコンサプライチェーンに組込まれる際、アンドパッドへの乗り換えリスクあり。ただし3~10年の衝突期間に大きな市場シフトは予想しにくい

助太刀

評価軸スコア確信度根拠
GTM戦略の一致3「複数の信用金庫と業務提携」で地域建設事業者へアクセス(STARTUP DB 2024/10~)。グローバの建設キャリアも建設特化人材紹介で方向が近い
将来目指すもの4助太刀「建設業界プラットフォーマー、これ一つで現場の仕事は全てOK」(2019年創業者インタビュー)。グローバも「アプリ×人材」複合価値を志向し、統合プラットフォーム志向が一致
市場重複4建設特化人材サービス(助太刀社員 vs 建設キャリア)で同一の採用予算を奪い合う。建設人材市場6,200億円で同種提案が競合
将来衝突可能性43~10年で建設業「人材×施工管理」複合プラットフォーム競争に移行。助太刀は現在「人材」領域で先行しており、グローバが「アプリ+人材」統合で後発追撃する構図。衝突の時期・勢いは人材事業の成長次第

警戒度(KDF×企業強弱表+非対称性分析)

KDF別競合強弱マトリクス

企業・サービス競合類型KDF①初期費用KDF②操作性KDF③一元管理総合KDF充足度脅威度(資本・基盤)総合警戒度
グローバ(クラフタ)-(対象)5(無料)5(LINE的)3(機能/定着不明)4.3--
ダンドリワークdirect2(初20万+月1.5万)4(現場向け)5(10万社)3.7(導入100,000社)
KANNA(アルダグラム)direct5(無料)4(職人向け)5(7万社)4.7非常に高(27.6億調達)非常に高
アンドパッドdirect2(要問合)4(伴走型)5(26.5万社)3.7非常に高(985名・209億調達)(ただし顧客層がズレ)
助太刀concept(人材領域)5(無料)N/A(人材)N/A(人材)5(人材領域)(48.8億調達)中~高(建設キャリア観点)
LINE+紙/FAXalternative5(無料・既利用)5(習熟済み)1(分散)3.7N/A(慣性)最高(乗り換え障壁)

競合の資本・体力と非対称性

企業累計調達額従業員数市場シェア(導入数)グローバへの意識非対称性評価
グローバ2.2億円20名不明(250社公表後非更新)--追い詰められ側
ダンドリワーク4.13億円23名100,000社・継続率91%低い(グローバを眼中外)(一方的に警戒)ダンドリは市場リーダー。グローバ側の警戒が高い
KANNA(アルダグラム)27.6億円74名70,000社・グローバル展開低い(グローバを眼中外)非常に大(グローバ完全眼中外)KANNAは体力でグローバを凌駕。無料モデル酷似で最悪シナリオ
アンドパッド約209億円985名156,000社・シェアNo.1低い(中小層を競争対象外)最大(非対称)体力・規模が本群で最大。顧客棲み分けで直接衝突は限定的
助太刀48.8億円23万事業者登録人材特化低い(施工管理でなく人材)人材領域で体力厚い。建設キャリア対抗で警戒

競合対抗策

現状分析

グローバの相対的な競争力は、KDF①(初期費用無料)で最優位だが、KDF③(一元管理・実装率)でダンドリ・KANNAに劣後していることが最大の課題。特にKANNA(アルダグラム)は、KDF①②③すべてでクラフタに接近しており、資本力・拡大速度でも優位なため、最も危険な競合

差別化戦略

①導入障壁の徹底最小化

  • 「完全無料×LINE的UXで最も導入障壁が低い層=ITに不慣れな地方・中小工務店の職人現場」に一点集中。
  • 他社(ダンドリ有料、KANNA有料版オプション)が見落とす「年商数億円の1人親方・個人工務店」層を開拓。

②実装率(現場定着)での差別化

  • クラフタの唯一の勝てる領域は「導入障壁の低さ」だが、これだけでは「LINE+紙/FAX」との代替を打ち破れない。
  • 実装率(NRR・チャーンレート・1日単位の利用頻度)のデータ開示により、「導入社数」から「定着社数」へ評価軸をシフト。
  • ダンドリの「継続率91%」に対して、より高い継続率を実績で示すことで、顧客の「導入後の成功確度」を証明。

③LINE+紙/FAXからの乗り換えコストの内製化

  • クラフタを「乗り換え」ではなく、「LINE運用の延長線上の置き換え」として設計。初期導入時は「LINE連携」を最大限活用し、徐々にクラフタ内での一元管理へ移行させる段階的な導入設計。
  • 導入から3~6ヶ月で、ユーザーが「クラフタから脱却することのコスト」を内製化(データロックイン)することで、慣性による離脱を防止。

④建設キャリア(人材紹介)との複合価値の構築

  • クラフタのユーザーベース(現場データ:職人の実績・スキル・経歴)と建設キャリアの求人マッチング機能を連携させる。
  • 施工管理アプリ上で「職人のプロフィール・実績データ」が蓄積されることで、採用企業が求める職人検索の精度が上がり、建設キャリアの成功報酬(紹介手数料)の獲得確度が向上。
  • これにより、単機能の「施工管理アプリ」(KANNAなど)では成し遂げられない、「アプリ×人材」の複合利益生成モデルを確立。助太刀(人材特化)との差別化も同時達成。

⑤中小層への徹底的な伴走&教育投資

  • ダンドリ・アンドパッド・KANNAは、導入後の「サポート&教育」に人員を要し、大手向けの「高機能・伴走型」に特化。一方、クラフタは「無料+自習型」であり、ユーザー教育に投資できない——ここが実装率低下の原因。
  • 資金調達後の営業人員増加を、営業閉獲得ではなく「導入企業への定着支援」に優先配置。月次フォローアップ・写真自動格納機能の設定支援・職人向けビデオチュートリアルの充実等、導入後のオンボーディング改善に投資。

⑥マネタイズモデルの透明化

  • 現状、「無料アプリ+広告+関連サービス」というマネタイズ構造が不透明なため、顧客企業も「本当にこのアプリで継続サポートが得られるのか」に不安を持つ。
  • グローバが「建設キャリア連携による採用成功報酬」「建材マッチングの手数料率」等を部分的に公開し、「無料ユーザーから得る利益の構造」を可視化することで、長期継続性への信頼を構築。

5. リスク要因とイグジット戦略

主要リスク要因

テクノロジーリスク

  1. 実装率(定着率)の不確実性

    • 根拠:250社(2021年4月)から2023年6月以降の導入数非公表。競合(ダンドリ100,000社・KANNA70,000社)との相対差拡大の可能性。
    • 影響:無料アプリは「導入数」から「定着社数」への転換が利益化に必須だが、定着率データが不開示では投資家・顧客からの信頼獲得が困難。
  2. プロダクト差別化の侵食

    • 根拠:「LINE的UX」「写真自動格納」「チャット機能」はKANNA・ダンドリが同様実装。物理的な機能差別化の余地が限定的。
    • 影響:差別化が「実装率」「顧客サポート」等の非機能面に限定される場合、資本力で劣るグローバはスケール段階で圧倒される。

マーケットリスク

  1. 建設DX予算の飽和

    • 根拠:施工管理支援アプリ利用率が既に42%(全体)・60%(ゼネコン)に達し、今後の伸び率は限定的(MM総研、2025年12月)。導入検討中企業は12%で頭打ち傾向。
    • 影響:新規市場獲得が鈍化し、既導入企業からのシェア奪取が主戦場に移行。乗り換えコストが高い顧客層では、無料という価格優位が有効でなくなる。
  2. 競合による市場寡占

    • 根拠:ダンドリ・KANNA・アンドパッドの3社で、市場の大部分(80%超推測)をカバー。グローバが新規獲得できる層は「年商数億円以下の1人親方・超小規模工務店」に限定される可能性。
    • 影響:TAM(潜在市場)は数千億円だが、グローバの「実現可能市場(SOM)」は数十億円以下に縮小する可能性(推測)。IPO基準(上場時価総額100億円~)達成が困難化。
  3. 働き方改革関連法(2024年4月施行)の施行効果の減衰

    • 根拠:現在は「残業規制対応」を理由とした施工管理アプリ導入が追い風。ただし施行から2年を経ると、「既に対応済み企業」と「対応困難企業」が二分化。
    • 影響:今後の成長は「新規法対応」ではなく「既存顧客の拡大利用(ユーザー数増加)」に依存。月額課金やプレミアム機能での単価向上が必須だが、グローバのマネタイズモデルでは不透明。

競合リスク

  1. アルダグラム(KANNA)によるシェア侵食

    • 根拠:KDF①②③すべてでクラフタに接近、かつ累計調達27.6億円・パナソニック資本業務提携・従業員74名の体力。
    • 影響:3~5年以内に「無料施工管理アプリ」市場をKANNAが制覇する確度が高い。グローバが「建設キャリア」との複合プラットフォーム化に成功しなければ、単機能の施工管理では生き残れない。
  2. 大企業(パナソニック・建設系大手)の参入

    • 根拠:アルダグラムがパナソニックと資本業務提携(パナソニック系列企業への導入加速)。大手ゼネコンが自社システム内に施工管理機能を統合する動き。
    • 影響:エンタープライズ層(大手ゼネコン・中堅企業)の市場がクローズド化し、グローバが切り込める領域が「本当に小規模な工務店」に限定される。市場縮小リスク。
  3. 助太刀によるプラットフォーム統合の先制

    • 根拠:助太刀が「人材×発注マッチング」で統合プラットフォーマー志向。グローバが「クラフタ×建設キャリア」の統合に後れを取るリスク。
    • 影響:建設業のプラットフォーマー(「これ一つで全て完結」)になる競争で、先発優位が強く、後発追撃が困難。グローバの「複合プラットフォーム構想」が実現される前に、助太刀が市場を制覇する可能性。

法規制リスク

  1. 建設業界の資格・人員配置要件の厳格化

    • 根拠:2024年4月の働き方改革関連法で「休日確保義務」が建設業にも適用。今後、技能者資格(1級施工管理技士等)の配置要件がさらに厳格化される可能性。
    • 影響:クラフタが「職人の労務管理」(勤務時間・休日ログ)まで機能追加を迫られる可能性。プロダクトスコープの拡大 → 開発コスト増加 → 無料モデルの維持が困難化。
  2. 建設キャリアの人材紹介規制

    • 根拠:人材紹介事業は厚生労働省認可事業。成功報酬型契約の「妥当性」「違法な人身売買との区別」等が監視対象。
    • 影響:グローバが「成功報酬率(年収の20~30%)」の妥当性を求められ、収益性が低下する可能性。また、建設業の「季節変動&案件ごと雇用」という特殊性が、人材紹介法の「継続的雇用」との矛盾を生じさせる可能性。

財務・キャッシュフロー リスク

  1. 広告単価の下落

    • 根拠:施工管理アプリの「ユーザー数増加」が進むほど、クラフタ内の建設業向け工具・資材の広告クリック率が低下する典型的なモデル。BtoB広告の単価(クリック数あたりの手数料)が下落。
    • 影響:ユーザー数が100倍になっても、広告単価が1/10に下落すれば、売上成長は10倍に留まる。スケール後のマネタイズが自動的に成長するモデルではなく、主動的な新規事業(建設キャリア等)の成功に依存。
  2. 建設キャリアの赤字長期化

    • 根拠:人材紹介は「成功報酬型」のため、前払いがなく、初期段階での営業人員コストが赤字を生む。3年経過した現在でも成長指標(紹介件数・登録求職者数)が非公開。
    • 影響:2025年~2026年のキャッシュフロー予測が悪化する可能性。グローバの「ダブル事業成長」(クラフタ+建設キャリア)が実現されず、スポンサーの追加資金注入が必要になる。
  3. 赤字化による資金枯渇

    • 根拠:2023年5月時点で「2期連続黒字」と公表。ただし、2024年以降の利益・キャッシュフロー状況が非開示。営業人員拡大・新規プロダクト開発に充当された2.2億円の資金が、赤字転換を誘発する可能性。
    • 影響:2027年~2028年時点での次ラウンド調達の必要性。ダウンラウンド(評価額低下)のリスク。IPOまでのバンウェイ(つなぎ資金)不足の可能性。

想定イグジット戦略

IPOシナリオ(目指すもの/出典:Wantedly、2023年5月)

目標時期:「数年後」(2025年~2027年推定)

必要条件

  • 2026年時点でのクラフタ導入数が最低10,000社以上。成長率が年50%以上(推測)。
  • 建設キャリアの紹介件数が年1,000件以上、その手数料売上が数億円規模に到達。
  • 営業利益率が10%以上(上場基準)。

実現可能性の評価

  • 低~中(未評価)。理由:
    1. 導入数が2021年4月の250社から2023年6月以降非公表。3年で「5~10倍」への成長が必須だが、競合進攻(KANNA・ダンドリ)により実現難度が高まっている。
    2. 建設キャリアの成長が可視化されていない。成功報酬型のため、キャッシュフロー改善に時間を要する。
    3. 広告主導のマネタイズ構造が、スケール後の利益率向上を保証しない。

M&A・買収シナリオ

想定買収企業

  1. パナソニック(KANNA経由での建設DX戦略強化)
  2. リクルート(小河の出身企業。建設・不動産領域での事業ポートフォリオ拡充)
  3. 大手ゼネコン(清水建設・大成建設等。自社グループの施工管理効率化)
  4. アンドパッド(プレイヤー統合による市場寡占化)

想定タイミング:2026年~2027年(IPO目標時期の直前)

買収価格推定(参考):

  • 現時点の評価額が815百万円(2023年5月推測値)。
  • 3年で営業利益が数億円に到達した場合、PSR(Price-to-Sales Ratio)3~5倍で評価すると、バリュエーション200~300億円が想定される(推測、検証不可)。
  • IPO見送り→買収のシナリオでも、150~250億円程度の評価が期待値と考えられる(推測)。

M&A確度

  • 中~高。理由:
    1. グローバのコア資産(クラフタユーザーベース+建設キャリアの人材データ)は、パナソニック・リクルート・大手ゼネコンが欲しい統合要素。
    2. IPO困難の場合、株主(Chugin Capital Partner等)にとってM&Aによる早期イグジットが合理的選択肢になる。

リスク調整後の投資判定(サマリー)

評価軸スコア根拠
市場機会4/5施工管理DX市場は数千億円。ただし競合寡占化で新規参入層のSOMは限定的
プロダクト競争力3/5「無料・LINE的UX」は強みだが、KANNAとの機能差別化余地が小さく、実装率データで劣後
チーム・経営4/5代表の背景(リクルート→MBA→創業)は良好。ただし従業員20名での複数事業展開は体力限界
財務サステナビリティ2/5マネタイズモデルが不透明。2期連続黒字も2024年以降不開示。キャッシュフロー継続性が不確実
イグジット現実性3/5IPO難度が高まっており、M&Aシナリオの方が確度が高い可能性。買収価格も150~250億円推定で、初期投資に対して期待リターンが限定的
総合評価3.2/5投資判定:保留~慎重。強い市場機会があるが、競合進攻・マネタイズ不確実性・複数事業の体力限界で、リスク調整後の期待リターンが不透明

6. 補足:一次情報との矛盾・未評価項目

確認できた矛盾

  1. 従業員数:「20名(2023年6月、Speaker Deck)」vs「10人(出典:PitchBook、時点不明)」

    • 判定:時点不明のPitchBook データの信頼度が低い。2023年6月の20名が現在値と推定。
  2. クラフタ導入数の非公表化:2021年4月「250社」から2023年6月調達ピッチ、2026年3月App Store評価まで更新なし。

    • 判定:導入数成長の可視化が失われていることは、相対的な競争力低下の可能性を示唆(未評価)。
  3. 建設キャリアの成長指標の未公表:2022年8月立上げから約4年経過するも、紹介実績・登録求職者数・継続率が一切公開されていない。

    • 判定:成長段階が完全に不透明。グローバの「複合プラットフォーム構想」の実現が不確実(未評価)。

未評価項目(判定に必要な一次情報の不足)

  1. クラフタの実装率(NRR・チャーンレート):導入後のユーザー利用継続率が不明。これが競合比較の最重要指標なのに、データ開示がない。
  2. 建材マッチングサービスの売上規模:クラフタの広告マネタイズを支える「建材マッチング」の実績が非開示。広告単価・成約率が不透明。
  3. 営業体制の規模・GTM詳細:2023年5月調達後の営業チーム体制・営業チャネル・CAC(顧客獲得コスト)が未公表。
  4. 建設キャリアの紹介手数料率・平均紹介単価:人材紹介の成功報酬型契約が非開示。実際の手数料率が「年収20~30%」の業界標準に従っているか不明。
  5. 2024年以降の財務実績:売上高・営業利益・キャッシュフロー等、2024年度以降の経営数値が全く非開示。黒字継続の可否が不明。

総評:グローバは事業の初期段階の透明性が低い。IPO準備企業として想定した場合、「売上成長」「利益」「キャッシュフロー」の可視化が極めて不足しており、投資判定に必要な定量的根拠が限定的。次ラウンド調達時には、上記未評価項目の詳細開示が投資家から必ず求められる。